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フェルメール:メイドさんに惚れました!! [美術とか]

混んでいる美術館は「NG」 なのですが、でも、どうしても見たいものもあります。そんな時は、普段、並んだり待たされたりするのは、気が短いせいもあり(?)ダメなのですが、好奇心というか、見たいという欲求には勝てなくて、結局、出かけていきます。今回もそう。
前日、会社から講習会の途中にメールを打ちました。 ^^; 「展覧会行きたいよーーっ」。
友達から返事「OK!!」・・・、で、決まり !! 土曜の午後3時半に「乃木坂駅の6番出口の改札口」で待ち合わせ。 
当日は仕事をさっさと済ませ、電車に飛び乗りました。

少し時間があったので、表参道の街路樹達の紅葉はどうか寄り道をしました。表参道ヒルズのあたりは人でいっぱいでしたが、紅葉は、もう終わり。歩いていると、赤や黄色の葉っぱが、はらはらと、ゆっくりと落ちてきます。
「秋も終わり」かなって。
なんとか、その姿を撮ってみようと思いましたが、未熟者で捉えることはできなかった。

 

   

   

 

このあたりも良い所ですね。神奈川の山奥から出てきたので余計そう感じるのかもしれませんが・・・。
また、表参道の通りは人でいっぱいですが、そこから右や左へ脇へそれると、とっても静かになり不思議なところ・・・。
面白そうな店も何件か発見しました。今度夜来てみよう。 ^^

 

前置きが長くなりましたが、土曜日、大好きなフェルメールを、やっぱりなんだかんだと言って今まで見送っていましたが、どうしても見たくなって、12月17日までと聞いたこともあり、国立新美術館まで行ってきました。乃木坂の駅と直結しており6番出口を出てエレベータを使い上がっていくと、そこはもう昨年オープンした美術館です。今年亡くなってしまいましたが黒川紀章さんの設計による美術館ですね。
しかし、覚悟はしていきましたが、やっぱり混んでます。外で券を買って展示室まで入るのに、少し並びました。混雑しているので、多少ではありますが入場の制限をしているようです。まあ、15分ぐらいなので、こんなもんかなってほどではありましたけど。

美術館のエントランスロビーのアトリウムの天井は高い。後で調べたら21.6mもあるのだそうです。夕方の日差しが壁面全体が透明なので、そこを通って差し込んできます。円柱形の柱に縞模様を作っていました。趣きあるな、紀章さんの設計。

 

さて、肝心の展覧会ですが、それまでは王侯貴族のものであった絵画が(描いてもらうには莫大な金額だったんでしょうね)、一般の市民の中にも裕福な層が出来てきて、自分の家に絵を飾る人たちが現われ、その人たちにも広まっていきました。今回の展覧会はそんな頃の作品を集めています。自然、聖書とか肖像とかが題材でなく、もっと身近なものがテーマとして描かれるようになっていったのですね。

絵も、比較的小さなものが多く、近づかないと何が書いてあるのか分からない10cm四方のものもありました。どこに飾ったんだろう。こういうのを見ると、絵の飾る場所まで考えてしまう。

ずいぶんと、引っ張ってくれます。フェルメール見るまでにかなりの枚数があるのです。一応、全部見てみないと・・・。混んでいて、また音声解説を借りた人たちは、音声マークの付いている絵画の前では立ち止まって鑑賞されるので、そういう絵の前では列が渋滞するのです。そのたび、自分と友達は迂回して少し前に出ます。何回かそんなのを繰り返して、・・・、すると液晶の少し大型のディスプレーにフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の見方というか、解説を映しています。
見せるための工夫というか、アイデアですね。まあ、今回の絵はそれだけ価値があるってことです。僕もそう思います。なんしろ、フェルメールの絵は30数点しかなく、その中でも傑作として名高いのですから。
展覧会全体も、この絵を見るために構成されていると言っても過言ではありません。この絵一枚のため、色々な作家の絵を集めていると思います。歴史的背景とか、その後の画家達に与えたフェルメールの影響とか、「牛乳を注ぐ女」のために構成されていると思いました。

でも、色んな理屈っぽいことを「うだうだ」と考えていましたが、コーナーを曲がって、この絵に会うと・・・、ほんとに目が釘付けになりました。言葉では言い表せません。もう別格です。フェルメール。すごい。
今、思い出しながらキーボードを打っていますが、また、体が震えるようなそんな感覚がよみがえって来ます。
しばらく、唖然としたまま佇んでいました。
たくさんの人がいるのですが、友達もそこにいるのですが、目の中に入ってくるのは、フェルメールだけ !! 僕とその絵しかなくなってしまいました。
明るい色彩、繊細な表現、計算された遠近法と、でもそれをあえて壊す潔さ。表現すれば色々とありますが、理屈や言葉では表せません。
もう、心にダイレクトにうったえかけられてしまいました。今まで見た絵を全部含めて、これはやっぱりすごい絵です。
350年ほど前の絵だと思いますが、古さなど全然感じません。その意味で、時間を超越している、永遠の時間がここには閉じ込めてあるってそんな気がします。見ているとはじめの震えるような感動がひいていって、今度は静かに静かに落ち着いてくるような気がしました。
ずうっと一緒にいたいって思いました。
フェルメール「牛乳を注ぐ女」、好きです。いつか、オランダへ行ってそこで見てみたいなって思いました。 

という訳で、古楽器(オペラで通奏低音で使われたキタローネなんてのもありました)やこの絵の中にも描かれているタイルなどもあり、その他多くの作品があったのですが、他のものはあまり覚えていません。フェルメールだけに会いに行ったようになってしまいました。

ただ、その中でも、この絵だけは気になった。
ヤーコブ・マリスの「窓辺の少女」です。1870年の作品
フェルメールにはおよばないものの、見ていて、同じような気持ちになりました。良い絵と思います。 

並ぶのイヤなんですが、今回はそんなことをわすれました。
本当に、講習会の途中でメール打ってよかった・・・、じゃなくて、 ^^;
フェルメールに会いに来てよかった。

帰りに友達とビールを飲みながら、フェルメールについていっぱい語って、とても幸せな気分で(ビールの力もありますが)帰ってきました。
ほんとうに、良い一日でした。  (^_-)-☆

<2007/12/08 Milkmaid By Vermeer>

 


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コメント 18

ake_i

1870年「窓辺の少女」
素晴らしいです。
色使いと人物の表情。明るい配色の中に少女の憂いのような心情が表れていて心を打たれます。
私は、そばで見たわけではありませんが画家の伝えたいことがわかるような気がしました。
by ake_i (2007-12-09 09:56) 

たろちぅ

わーい!1000niceぷっちん(Φ_Φ)ノ
フェルメール見たんですねー。
普通の人々の何気ないシーンがステキに描かれてて好きな画家さんー☆
by たろちぅ (2007-12-09 14:19) 

どんぐり

解説が多くて読むのが大変でした 詳しいと言う事は
好きだと言う事で良いのですか 私は展覧会と言うのは
新聞屋が入場券をもって来たのは行きますが
特に行かないのですよ、すみません
by どんぐり (2007-12-09 16:36) 

チャッピィー

こんばんは。
ブログにご訪問頂き有り難う御座いました。
凄く内容の濃い記事ですね・・・
展覧会・・前は良く行きましたが・・最近時間
にゆとりがなくていけないですね。
でも、この前・・与 勇輝 様の人形展に行きました。
by チャッピィー (2007-12-09 17:14) 

tomoe

行ったんですね~先を越されましたわ。
行きたいなとは思っているのですが具体的には予定無しです。
フェルメールまで遠い・・・よくわかります。
以前も「フェルメールとオランダの・・・」という展示会に行ったら
フェルメールは2点くらいしかなかったですもの。
でも、いいなぁ~
by tomoe (2007-12-09 17:40) 

uta

確か、この注いでいる女性の背景の壁には、何かが描かれたあとが
あるけど、後で壁としてぬりつぶされたんでしょ?女性がひきたってるね。
あとパンの白い点々がリアルだよね^^!!わたしもみてみたいなー!!!
by uta (2007-12-09 18:26) 

puripuri

そうなんですよね、、バックを塗りつぶしたのが人物を引き立たせているんですね。
油絵は何度もそのような事が出来るので、今迄の有名な絵画でも発見されてますね。
ミルクがトツトツと今も流れ落ちているような、、そんな錯覚を覚えます。
by puripuri (2007-12-09 19:54) 

フェルメール「牛乳を注ぐ女」
まるで息遣いまで聞こえてきそうな絵です。
私も行ってみます(⌒ー⌒)
by (2007-12-09 20:13) 

リュカ

フェルメール見てきましたか(^^)
あの空間だけ別世界ですよね。
実際に見られて良かったですね♪

「窓辺の少女」、私もいい絵だと思いました。
意志の強そうな女性の立ち姿がGOODでした^^
by リュカ (2007-12-10 11:58) 

ぼるふがんぐ

ake_iさん、フェルメールの展覧会でしたが、「窓辺の少女」だけは光ってました。もう一度見たい絵です。 ^^
by ぼるふがんぐ (2007-12-11 06:15) 

ぼるふがんぐ

たろちぅさん、888と1000ナイスありがとうございました。 ^^
「きりばん」2つなんて、すごいなぁって、変に感心しておりますーー♪
フェルメールは自分の生まれた街から、ほとんどでたことのない人なのですが、描く題材だけではないですね。勉強しました。
by ぼるふがんぐ (2007-12-11 06:18) 

ぼるふがんぐ

どんぐりさん、記事、ながくなってすいません。ついつい、思い入れがあると余計なことまで書いちゃいまして・・・。 ^^;
くわしいってことはありませんです。好きなだけかも。
by ぼるふがんぐ (2007-12-11 06:24) 

ぼるふがんぐ

チャッピィーさん、与 勇輝さんの作品もすばらしいですよね。生き生きしている人形と思います。僕も実際に見てみたいなって思います。
by ぼるふがんぐ (2007-12-11 06:26) 

ぼるふがんぐ

tomoさん、17日までですので、時間があれば、絶対に見られた方が良いです。あの感じは実際に見ないと味わえません。 ^^
by ぼるふがんぐ (2007-12-11 06:28) 

ぼるふがんぐ

utaっち、そうなんだって、X線で調べると彼女の背後には方形のものが描かれてあったらしい(暖炉かもって)。それをわざわざ塗りつぶして白くしたんだって。
うーーん。でも、この白い壁(良く見るとところどころ汚れたりしてるんだ)の方がutaっち言うように絶対良いよね ^^

オランダのアムステルダムまで見に行く???? (^_-)-☆
by ぼるふがんぐ (2007-12-12 05:19) 

ぼるふがんぐ

puripuriさん、そうなんです。フェルメールのこの絵、白が印象的な絵ですけれど、puripuriさんの言われるようにミルクの白色は、純白の白ですね。綺麗 ^^
永遠に注がれるミルクなんて良いな !!
by ぼるふがんぐ (2007-12-12 05:22) 

ぼるふがんぐ

ひむかさん、17日までです。
見逃さないようにPM6時までですよ。 ^^
by ぼるふがんぐ (2007-12-12 05:23) 

ぼるふがんぐ

リュカさん、リュカさんの記事を見て「いくしかないっ」って思っていました。行って正解 !! 見逃さないでよかったです。
ほんと、あそこだけ、別の空間でした。友達いなければ、閉館までいたかもしれません… ^^;
「窓辺の少女」をやっぱり気に入られました?
これも、良い絵ですよね。 ^^
by ぼるふがんぐ (2007-12-12 05:26) 

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